
若者を戦地へ送ったあの日の熱狂 学徒出陣から70年
太平洋戦争の戦局が悪化する1943(昭和18)年、徴兵の延期が認められていた学生・生徒たちが、勅令で兵隊となった。「学徒出陣」だ。東京・神宮外苑での壮行会では、学徒兵が銃を携えて行進。数万の観衆が見送った。あれから70年。いまだ学徒兵の総数も戦没者数も定かではない。国を挙げた熱狂は、今の時代に何を問いかけるのか。
■軍歌を歌い、奏でたあの日 戦後に知った音の喜び
【田井中雅人】スタンドを埋め尽くす女子学生たち。涙ながらに見送られ、銃を携えた学徒らが行進する――。
1943年10月21日、明治神宮外苑競技場(現・国立競技場)での出陣学徒壮行会。大中恩(めぐみ)さん(89)は学徒の列にいた。当時、東京音楽学校(現・東京芸大)の学生 [..]▼続きを見る